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感じることが難しい人へ

感じることが難しい人。

それ、かつての私。

どう感じますか?という質問をされると、
イラっとするほどだった。

今はと言えば、その質問が大好き。
感じる質を使うことを自分の生業にしている。
だから、もっと磨かなきゃいけない。

でも、こうなるには、人生は私にちょっと苦労をさせた。

2003年、突然左脚膝から下が炎症を起こし、
しばらく入院し、仕事を休み、病院のベッドで一日中
点滴で抗生剤を身体に流しながら、一日中夢を見ていました。

毎日毎日一日中夢うつつで過ごしました。
病棟の廊下の突き当たりに大きな窓があって、
そこから毎朝朝日が昇るのを見ました。
車椅子に座って。左足だけ、前に突き出したまま。

こんなにゆっくり一日を過ごしたのは、人生初だったかも。

会社へは、でもやっぱり心配だったり、自分の存在を知らせたかったり
もあったかもしれない、しょっちゅうメールで経過を知らせていました。

笑っちゃう。

ぼーっとしながら、自分のやり方、生き方を変えた方がいいのだろうと
分かっていました。

それから、あまり大きな声で好きとは言い難かった世界へ恐る恐る
入って行きました。

瞑想なんかを始めてみました。
いわゆるスピ系の人達との交流がありました。

でもね、私は、感じることができなかった。
頭では理解してるよ。
理論はバッチリ。

でもね、実は、感じていないの。
瞑想なんて、絶対ムリだ!

それは、強烈な劣等感だった。
この世界に答えがあるかもしれないと来てみたけれど、
「感じられない」のは致命的だった。

会社でもダメ、こっちの世界でもダメ。
私、居場所ないじゃん。

最後の最後、あるセミナーに参加した。
もう、これでダメだったら、私は、またあの物質至上主義の世界
へ戻りますという覚悟で。

そこでやったのは、来る日も来る日も、「感じる」の練習。
真夏の屋外で、ひたすら、木、道端の石、野良猫、花、雲、ビルの窓、
それと向き合った。

泣きそうだった。
落伍者だ。私。

会社では、一定の評価をもらっていた、つもり。
そのために、脚が痛くても、痛さも感じずに、がんばった。
男なんかに負けるもんか。
実際、私、男より上手だし。と内心思っていた。

でも、実際には、人として、女として、自分がなんの価値も、厚みも、ないの
分かってた。そしてそれを認めてしまうのが、うすうす分かってて、恐かった。

セミナーの、最後の方で、指導してくれる人が私に言った。

「あのね、今手を置いている机、触れてる手が、固いとか冷たいとか、
感じてるでしょ。それが、感じるってことだよ。分かる?
深刻ぶらないで、真剣にやって!」

私、その言葉で、何かが落ちた。
正確には、感じている身体の部分とそれを受け取る心がつながった。
のが分かった。
カチっと音が鳴ったような気もする。

そうか、今、既に、ここにあるんだ。

それでも、感じることは、相変わらず苦手ではあったけど、
徐々に受け取る回路が、流れが良くなっているのが分かる。

日常に戻る、オフィスにいて、私の中でいろんな声がしてるのが
聴こえるんだ。驚いた。

だって、私は、仕事をしたがってない。
絵が描きたい。ピアノが弾きたい。今、外へ散歩に行きたい。
太陽を浴びたい。と言っている。

正確にいうと、何か、モヤっと、自分の中や周りにあることを、
一つ一つ捕まえて、言語化することが出来るようになった。

言葉にすることを、自分に、許可をした。のだ。

そして、これが生きているということか、と知った。

許可をするとか、しないとか、自分の人生なのに、
許可なんかホントはいらないのにね。

この後、このセミナーの続きを受けるため、要はもっと
感じるために、本家のある米国へ2回も行った。

それが、2007年のこと。
私は、「感じる」を取り戻すのに、ものすごい時間とお金を使いました。
私の場合にはそれが必要でした。

人間になった。と本当に思いました。

だから、「感じる」には、人一倍、思い入れがあります。

「感じる」のレッスンができないかなと、ずっと頭の片隅にありました。
私のように苦しんで、答えの見えない人がいるはずだから。
そんな所でスタックしなくたっていいと。

同時に、これを伝えるの難しいと感じていました。

そして、スキルとしてのフォーカシングに出会いました。
うれしかった。

フォーカシングは、その辺りを知らぬ間に越えさせてくれると思いました。
やさしく、穏やかに。
身体のどこか、を入り口に、ゆっくり丁寧に辿っていくことで、
いつの間にか、「感じる」をやっている。
と、思いました。
これなら、安全に伝えられるし、私みたいに大金を払わなくていい。

「感じる」ことに困難を感じる人に、サポートができたらと思っています。
そのために、このワークショップをもっと育てていきたいと思っています。

なぜなら、人間は、感じていないわけがないということ。
そして、感じるとは、ここに肉体をもって生きているということだから。

今の私は、感覚の中にいるときが大好き。
それを使うのが大好き。
そして、もっとこの感覚を磨こうと、磨かなくちゃいけないと思っています。
そして、描写するための言葉、ぴったりのコトバをもっと持ちたいと思っています。
感じたことを、言葉にして、最高の贈り物にしたいと思っています。

大の苦手だったモノが、今私の一番頼れるモノになっています。

フォーカシングワークショップが、参加してくださる方々の
何かのきっかけになったらと願います。

次回のフォーカシングワークショップは、
2/24日曜日
3/16土曜日
です。

**注:この記事は、2013年2月9日のものです。

よろしかったら是非遊びに来てください。
お会いするのを楽しみにしています。


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by masumihug | 2013-02-09 04:44 | 聞くセラピー

わたしを知って、わたしを生きる。神奈川県藤沢市にて、心理セラピーを行っています。ホームページこちらです。 https://kiku-therapy.jimdo.com/


by masumihug