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映画 『ぐるりのこと』 

観ました。

つい観てしまった。

よく勘定してみたら
わたしが最初に結婚したのと
同じ頃だった。

1990年代。
あぁ~、こんな感じだったなぁと。

男の人は、
こんなふうに、
何も言わない。

そうだった。

今の時代とは、
随分違う。

うん、個人的な感覚と、
社会に漂う気分は、
当たり前に、
わかち難い。

男の人は、こんなふうに、
何も言わなくてよくて、
男の子のままでよくて、
ふらふらしててよくて、
女だけが、がんばって。

わたしが、わたしのフィルターで
そんなふうに見てしまっている
ことは、否めない、
のだけれど。

いや~な感じと共に、
観ていました。

観てしまいました。
なんと、140分もある、長い映画です。

わたしも、この映画の翔子のように、
壊れてしまった。あの時。

翔子と同様。
結婚が直接の原因じゃない。
決壊の引き金なだけ。

元々壊れていた自分を、
大事にせず、
大事に仕方は、分からず、
だから、大事にしてくれない相手、
選んでしまう。

この映画のストーリーや、
意図するところ、
は、置いといて、
この夫婦に、
この時代に、
いや~な気持ちを
持ちつつ、
観た。

ホントこんな感じだった。

それでもこの夫婦は粘った。

わたしは、こういうのは嫌だった。
で、離婚した。

カナオのこと、
ずっとそばに居た夫って
評価が高いみたいだけど
そうかなぁと思う。

好きなのか、何なのか、何でも無言で。。

でも、確かに、
男の人は解っているんだよね。

皆まで言わずともって。ね。

わたしは、
そばにいて、二人でいるのに、とても
孤独感を感じて、
それは、生殺しだと思ったんだ。

わかっているなら、
言ってよ。

あの時のわたしは、自尊心が育っていなくて、
自分を辛くする方法だけは知っていて、
だから、そういう人、選んでいたワケだけど。

皮肉なことに、いや、だいたいにおいて、
心の、精神のプロセスというのは、皮肉な展開を
必要とするワケだけど。

もうダメだと、自分がもう本当にダメなのが分かって、
底を打った。わたしは。

人生初のカウンセリングを受けて、
徐々に徐々に、自分で自分の人生の選択をして
いく方へ、恐る恐る、近づいていった。
幸いだった。

(あ、その時の相手を責めている
のではないです。
その人が悪いワケじゃない。)

何故、この映画を観てカナオが良いという人が多いのだろう??

この時代においても?

こんな夫婦が、リアルに感じる人が多いのかもしれないなぁ。

もしかしたら、多くの女性が妄想の中でダンナがこんな風に
思っていてくれたら、報われる、
なんて、思ってて、
それが描かれているからなんだろうか?

高い評価をしている人の、評価ポイントは、
カナオが、狂った翔子の様子にも動じず、
鼻水を拭いてあげたり、「キスしようとおもたのに、べたべたやん」って言ったり、
その後、鼻をぺロッて舐めてあげたり、
その前に、「好きだから、一緒にいる」だったか、そんなことを言う。ところ。

自分の女が、こんな状態になって初めて、
「好きだから、うんぬん」なんて!!

もっと最初に言ってよ!

もっともっと最初から、もっともっと、本当にそう感じているのなら、
出し惜しみせずに、もっともっと、好きだって、惚れてるって言ってよ!

それは、本当に大事なことだよ。

惚れた女が、壊れる前に
言ってよ。

残酷じゃんか。

良かったのは、名古屋から帰ったカナオに、倍賞美津子が
翔子をお願いしますと頭を下げたところ。
やっとこの母親が自分の役割を引き受けたから。
翔子は、家族のメンバーの本来の役割をみんながしないから、
一人で何役もこなそうとしてムリがきてたから。これでやっと
収まった感じがした。翔子は翔子をやればいいし、翔子とカナオって
いうカップルがやっと出来た感じ。とってもシンプルな横に一本の線の
つながり。
​長男夫婦に対しても、この母親が、「あんたたち夫婦揃ってんだから
なんとかやんなさいよ!」って言って、それで、場面からも、
ヤンキーっぽい妻とその息子たちも退場していくことで、
観ている方は、ほっとする。この家族が責任を引き受けたのだと
感じるからだ。

責任とは、自分の人生を生きるということにおいての責任であって、
責任者出てこい!の「誰かのせい」というような意味ではない。

余談ですが、
機能不全家族ってのは、
それぞれが、
それぞれの役割を
引き受けてないとき、
のように、感じています。

こんなふうに、
たくさんの想いや、
記憶が、
喚起された映画では
ありました。

そういう意味じゃ
いい映画、
です。

願わくば、
今の時代のカップル達は、
もっと率直で、
もっと素直に、
もっとエッチに、
愛し合っていてほしい、
と、願わずにはいられない。

こんな、何十年もかけて、
たくさんの犠牲の上に、
たった一言の、
好きだから
が、聞けて、
生きかえるなんて、
もう止めてください。


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by masumihug | 2015-04-11 12:24 | 聞くセラピー

わたしを知って、わたしを生きる。神奈川県藤沢市にて、心理セラピーを行っています。ホームページこちらです。 https://kiku-therapy.jimdo.com/


by masumihug