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アーノルドミンデルのプロセス指向心理学。
ワークショップに参加しました。

諸富祥彦さんの主催するワークショップに参加し、
そこで、コーマワークを思いもよらずに体験することになった。

コーマワークとは、プロセスワークの一分野で、
昏睡状態の人と
僅かな反応に気づきを向けフィードバックしコミュニケートしていく手法。

昏睡状態であっても、その人は意識がある。し、聴いているし、感じている。

表現する手段、機能が、通常ではないだけで、
元気だった頃と同じように表現する事がままならずに、
とてももどかしい思いをしているという。

そういった人の思いを果たす助けをする手法。
治療ではなく、心理学的支援。

諸富さんのワークショップ資料から引用します。
ミンデルが言うコーマワークの必要性についてです。

***

死にゆく人の心の内側では、まさにその瞬間に、ものすごく強烈な出来事が起こりつつある。死にゆく人が見せる苦痛の表情は、実は、肉体的な苦痛によるものというより、その強烈な体験を一人では受け止めきれずに困惑しているがためのものである、とミンデルは言う。そして、この強烈な体験をしっかり体験し抜いた上で死にうるには、訓練された他者からの援助が必要である。

***

そこに横たわっている人の尊厳を守り、癒し、
更に、看ている家族を癒し、
もしかしたら、人類共通に横たわる、
死というものへの恐怖を和らげることになるかもしれないとも、私は今感じます。

昏睡状態の方との接触を実際にしたことがあります。

当時コーマワークのことは知りませんでした。
実は、その人に大切な報告をしに行きました。

その人に会うのは初めて。
だけど、そして、
言いたいことがたくさんあるのが伝わってきていました。
歯がゆいと言っていて、イライラしているように感じました。

自然に、手に触れていました。

少し言葉をかけました。
私が出来るのは、心の中で祈ることしかないと思い、
声に出したことより、心で祈ったことの方が多かったです。

でも、今回コーマワークを体験して、
その時に何が起こっていたのかが分かった。
生きているんだ。まだ。

そして、生々しく、私たちと同じく、俗に生きる人間なんだ。
半ば、聖人のように感じていたかもしれない。
違うんだね。多分。
そして、あがいている。

誤解を恐れず言えば、まだ未練たらたらで生きている。
死ぬのが恐くて、死を先延ばししている。

私は、日本人の寿命が長いのは、死さえも先延ばしするからかもしれないと
ふと思ったことがある。
死はタブー。

しかし、よく考えれば、
戦争や病死や、死が身近だった時代の人たちにとっては、
死はむごいこと、不条理で、思い出したくない、
想像したくないことなのかもしれない。
それは理解出来る。
当然だ。

死が身近じゃなくなった私たちは、もっと死を想ったり、知ったり、
考えたりする機会を持って分かち合えたらいいと思う。
そういう意味でも、コーマワーク体験はいい。

そして、私がその人に帰りますよと告げた時、彼が反応し始めた。
唸って、まぶたも動き始めた。間違いなく何かを言っていた。

「大事なこと、言っておきたい」と力が入っていた。
(のように、見えた。)

私は、その人の真剣さに涙がこみ上げた。

私は、この経験があるから、今回のコーマワークは
私にとってすごくリアルに感じた。

今後こういうことに関わるかどうか分からないけれど、とても興味がある。

今回のコーマワークの体験の中で、
私がコーマ(昏睡している人)になった時見たものは、私が望み、
でも、できなかった暮らしだった。

とても満ち足りて幸せそうな私を見た。
その暮らしをすると当然思っていた。
期待していたってここと、
でも、実際には起こらなかったってこと、
そして、
それがものすごく悲しいと感じていること、

それらに気づいて、「そうだったんだね」と
注意を向けてあげることが出来た。

そして、涙で流すことができたのは、本当に良かった。

私のその時の想いに、涙で応答し、想いを受け取ることが出来た。

そして、
もしかすると、
実際に死ぬ時に、これを見ることになったかもしれないと思った。

ミンデルが言う死にゆく人が経験する強烈な出来事とは、
生きている時してきたたくさんの期待、
夢見てたこと、やり残し、
を見せられる、ということなのかもしれない。
と思った。

それは残酷だ。

どうせなら、生きている内にやりたい。
と、今の私は思う。



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by masumihug | 2012-11-20 04:44 | 所感
フォーカシングってご存知でしょうか?

カウンセリングの成否に関わる重要な実験があります。
1950年代のことだそうです。

カウンセリングで、クライアントが成果があった、或いは、なかったと
認めたセッションを分けたものは一体なんだったか?という実験です。

それによれば、セラピストの行為に有意な差はあまり見られず、
逆に、クライアントの方にははっきりとした特徴があったのでした。

成功したカウンセリングには、ある共通点がありました。
それは、クライアントの話し方でした。

その話し方とは、面談のある場面で、
声のトーンが落ちて、ゆっくりになり、歯切れが悪く、沈黙を伴う。
身体で感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい、自分の内側で
感じているものに丁寧に触れようとしている。様子がうかがえる。

一方、うまくいかなかったカウンセリングでクライアントたちは、
ずっと言いよどむことなくすらすらと話していた。そうです。

治療効果があったとされたセッションで、クライアントたちがしていたのが、
フォーカシングと言われるものです。

そして、このクライアントたちがフォーカシングによりアクセスしようと
していたモノが、フェルトセンスと呼ばれているモノです。

これを発見した、ジェンドリンさんという人が名付けました。

諸富祥彦さんの言葉を借りれば、それは、
言語以前、イメージ以前、意味以前。だけれども、そこから何か大切な
メッセージや意味が生まれ出てきそう。な感じ。

身体感覚を伴って現れてくることが多く、身体の中心部、喉、胸、お腹、胃、
或いは他の部分にも、感じることがあります。

これは、筋肉痛や肩こりとは、ちょっと違う。
いや、そういう痛みであっても、気になる痛みであれば、それは
意味を含んだ身体感覚であり、すなわち、フェルトセンスかもしれない。

他の言い方なら、違和感とか、後味、しっくり感、などもフェルトセンス
と言える。

フェルトセンスは、生活や人生で意味のある何かと必ず関係がある。
それに気づくと、何か、関係がある。という手応えのようなものを
感じるはず。

そして、この感覚は流れ易い。捉えどころがなく、束の間の、微妙で、
描写しにくいもの。そして、これに注意を向けることがどんなに自分にとって
役に立つか知らないでいるために普段見逃してしまう。し、不要なモノとして、
無視してしまう。しかし、一旦捕まえ丁寧に言語化し、それがぴったりくると、
理屈では根拠がなくても、確信めいた感覚がある。

ジェンドリンさんは、自らも治療者として、この成否を分けるこの違いを
なんとか技法として教える方法を見つけたいと決心し、フォーカシングを
体系づけた。

フォーカシングは、人が生まれながらにして備えている能力。
人は、瞬間瞬間、自分が本当に感じていることを感じる能力を持っています。
しかし、育ってくる過程で、文化的背景の影響や、傷ついたり、疎外されたり
する経験を経て、自らの身体や感情への信頼を失くしていくことがあります。

しかし、本来備わっている能力なので、学習し直すことでその大切な能力を
取り戻すことができるのです。
思い出すと言ってもいいと思う。

カウンセリングとは、カウンセラーとクライアントの二人が創っていく
場であり時間ですが、クライアントが自分自身の深みへ触れていく体験なくして
カウンセリングで期待される効果はあり得ない。それをいかにナビゲートするのかが
カウンセラーの役目だと思い、私が心を砕くところです。

そして、この自分自身を感じるということを失っているために、クライアント
さんが今直面している状態になっていることが多いのも確かです。

それを取り戻すために、大変な努力をしなくても、そのとっかかりをつかむことが
比較的容易に出来るのがフォーカシングと思います。

人は日常的にそれを使って生きているからです。
フォーカシングなくしては何も前に進めないからです。

朝、今日何を着ていくか、お昼に何を食べたいか、知らず知らず自分と対話して
います。自分に、サウンディングしています。
それを、意識して、自分の便利なツールとして使えるようにするのが技法としての
フォーカシングなのです。

それこそ、今晩のおかずから、今後の人生まで、そこに聞くことができます。

私個人的な話しをすれば、いつもフェルトセンスに敏感でいたい。

丁寧に暮らしたい、という気持ちは、ここに理由があったと感じています。
そして、更にもっと、ゆっくりと丁寧に自分の柔らかい部分に触れて、メッセージを
聴き取っていきたいと思っています。
自分への傾聴です。

フォーカシングに向いている環境は、ゆっくり、丁寧、静か、少しじれったい。
向いてない環境は、ちゃかちゃか、せっかち、効率の世界。
これは、ちっちゃいモモが戦った時間泥棒の世界ですよね。
モモは、人がフォーカシングしながら、自分らしく生きる世界を時間泥棒の手から
取り戻したってことデスね。

フォーカシングのワークショップを、お友達のカウンセラーと一緒にに始めました。
まだ出来たてで、試行錯誤しながらご参加のみなさんと創っていこうと思っています。
(2011年11月の記事です)

ご興味ありましたら是非ご連絡ください。


参考書籍
「やさしいフォーカシング」アン・ワイザー・コーネル著 コスモスライブラリー
「フォーカシング入門マニュアル」アン・ワイザー・コーネル著 金剛出版
「ほんものの傾聴を学ぶ」諸富祥彦著 誠信書房


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by masumihug | 2012-11-14 04:44 | 個人セッション

愛する/愛さない

愛している、とか、愛していない、とか。
それは、オプションじゃない。

言う時、
感じてみてほしい。
自分の、胸の辺り。

それは、行動じゃない。
のが、分かるはず。

「もう愛していない」と言い放ちたいとき、
「今、愛の状態じゃない」
に置き換えてみて。

寂しくて、悲しくて、胸が、ザワザワして、落ち着かなくて、寒々しい。
そういう時、目の前にいる人のせいなのかな?

その人は、かつて、あなたが、愛の状態になり易くしてくれた人じゃないのか。

その人といる時、自分はとても自分らしくいられて、無防備で、恐くなくて、
愛のスペースから、発想し、行動し。

それを、人は、勘違いして、君を愛している、と言う。

愛の状態、とは、あなたがあなたでいる時。
あなたの基準点。帰ってくる場所。ホームポジション。

何であれ、そのスペースから行う事は、愛が込められている。
愛が乗っかっている。

人は、愛でできているから。
基本的に、そう言う意味では、対象がなんであれ、
愛そうとするし、愛したい。

愛の状態でいたい。
その状態を維持したい。

自分が、自分らしくいる為の環境を整えるのは自分の責任。

でも、いろんな条件で、自分らしくいられない場合も多い。
なるべく自分らしくいられるように努力するのか、
それとも、自分らしくいたい自分を無視して、なにか他の事を優先
するのか。

でも、知っていてほしい。

愛している、とか、愛してないとか、
それは、オプションじゃない。

自分が、出したり引っ込めたり、するもんじゃない。

そして、難しい現代の環境下で生きていても、一足飛びに
愛の状態になれる奇跡がある。

それは、出会いなんだ。

そんな、奇跡的なチェンジエージェント。
そんな相手に、君をもう愛していない、なんて、
言ってしまう、その自分の、動機にこそ、気づいていてほしい。

そして、愛していない、が、決して、それそのものの意味じゃない
と分かっていながら、その言葉の威力に、人は圧倒されてしまうもの。

気づいていてほしい。

そんな事を口にするなら。

そして、同時に、もしかしたら、あなたがかつて、愛していないと言われた
人なのかもしれないね。自分が、愛の状態で、無防備にいた時に、
突然、それを維持できなくされたことがあるのかもしれないね。
言葉の暴力に、心理的な暴力に、あるいは文字通りの暴力に、
圧倒されたことがあるのかもしれないね。
それは、とても、辛い、絶望の経験だよね。

記憶は消しても、身体には痕跡が残っているだろうね。

だから、愛していない、なんて言ってしまいそうな時、
その瞬間の自分を捉えて、探ってみて、胸の辺り、そして、
自分を感じてあげてください。
そして、心から一緒にいてあげて。
そんな自分を、抱きしめてあげよう。いたわってあげたい。

そして、悲しい連鎖は、止めていきたい。
気づいた人から。

そんなことが言いたくなりました。

但し、関係性はうつろうもの。
本当に感じて、もはや愛の状態ではいられないのなら、
それをそのように伝えて、正直にシェアしたらいい。

すべてはうつろうし、流れて、変わっていく。
それを、知っていて、そして、自分が愛で出来てるって
知っていて、そうであれば、それさえもシェア出来るはず。
どちらのせいでもないんだ。

ありがとう。




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by masumihug | 2012-11-07 04:44 | 所感

わたしを知って、わたしを生きる。神奈川県藤沢市にて、心理セラピーを行っています。ホームページこちらです。 https://kiku-therapy.jimdo.com/


by masumihug